インテリア・デザイナーの覚え書き

今回はオフィス・ビルのような公共設備を作るときのヒントです。 　第１は、いつも言っているように、「オブジェクトが多ければ多いほど生活感が出る」ということです。逆に生活感を出したくない、こういう建物の時はオブジェクトを減らせばいいわけ。 　現実のビルを見ても、高級なところほど、がらんとした何もない空間が多いです。この建物も、たとえば前庭の部分なんか、いつもならつい花壇とか木とかをもっと並べたくなりますが、あえて我慢して最小限にしました。このコンクリートの広がりがあるので、かえって会社らしい感じがするわけです。 　その代わりと言ってはなんですが、事務用小物はふんだんに使いました。私個人が文房具がすごく好きなせいもありますが、こういうものがごちゃごちゃあると、いかにもそこで仕事しているような感じがするので。 　第２に、現実の建物とゲームの縮尺の違いにも注意。たとえば、学校の教室を作ろうとして、机と椅子を40個ずつ置いたら、えらいことになってしまいますね。ゲームではそれをたとえば４個に減らさなくてはならないわけ。 　現実には机が２個しかないオフィスなんてないよ、と思いつつも、スペースとリアリティを考えるとこうなるわけです。 　オブジェクト選びに関しては、当然ながらモダン系、モダン・ハウスは最近建てていなかったので、オブジェクト捜しは苦労しなかったんですが、できれば以前使ったのと同じオブジェクトは使わないように心がけているのと、建築にちなんだものを優先的に捜したので、そこがちょっと大変でしたね。 　しかし、モダン系の建物は楽！　とりあえず、モダン系のオブジェクトさえ集めれば、しっくり調和するから。伝統的な家のほうがずっとむずかしいです。ただ、モダンと言ってもあまり冷たい感じのしない、機能的だけども暖かい感じのするものを選びました。 　かなり苦労したのは絵画さがし。絵画はすべて家やビルを描いたものにするつもりで捜したんですが、捜すと案外ないんですよね。しかも、部屋の内装にも合ってて、できのいいものとなるとよけい。そこで苦しまぎれに自分で作ったりもしました。ところが、捜し物って捜しているときは見つからず、完成後になってポロポロ出てくるんですよね。もう時間がないので、あきらめましたが。 　しかし、手持ちのオブジェクトが増えるに連れて、使うオブジェクトの数も増える一方ですね。今回の例で言うと、この家のために集めたオブジェクトは約1000個。ゲームに入る前に選別して、500個ぐらいに絞ってインストールしたのですが、実際に使えたのは300個ぐらいでした。それほど置き場がないというのもありますが、これだけ入れちゃうと、どうやっても購入画面に出てこないんです！　よって本当は見せたかったのに使えなかったオブジェクト多数です。